動物感覚 | P log

動物感覚

 この間、動物感覚(テンプル・グランディン著)という本を読みました。
 その中に、こんなようなことが書いてありました。

「動物は痛みを感じるのか。もし感じていないとしたら、生存が厳しくなるので、感じているというのが大方の見回だ。
 では、どのくらい痛みを感じているのか。
 人間の病気に、痛すぎて動けなくなるくらい、痛みが増幅されて感じられるというものがある。
 それは、前頭葉を切り取ることで治る。
 切り取った患者に、痛みを感じているのかと聞くと、感じていると答える。ただ、その痛みが気にならなくなるのだと言う。
 同じ行為をして、同じだけの痛みが伝わってくるのに、それが気にならない。動物の痛みの感じ方は、こういう位置にあるのではないかと思う」

 今手元にこの本がないので、うろ覚えですが。前頭葉じゃなかったかもしれないです。そもそも、脳を切り取るだなんて荒療治、許されるのかというところに、フォローがあったような気もします。でも、とにかくこんな感じでした。
 私は、今まで何度となく、この疑問をこねくり回していたので、「こういう答えもあるのか」と心にしみ入りました。もちろん、こんな単純な答えではすまないのかもしれませんが。

 それよりずっと前に、おそろしくてめったに見ない、自分の過去に書いたブログ記事を読みなおす、ということをしました。
 思い返すのもおそろしいので一言で言うと、痛々しくて見ていられないわけです。
 剣山ってあるじゃないですか。あれを踏むと、何とも言えない気持ち良さがありますよね。
 そんな心持ちで、「痛いんじゃないかな、痛いんじゃないかな」と思いつつも、踏んでしまいます。そのたび、足の裏は血だらけです。剣が少ないと、そういうことになります。
 それが、前回のは、さほど痛くなかったのです。血は相変わらずドバドバ出ていますが。
 何か神がかった奇跡が起きたのか、誰かに前頭葉を勝手に切り取られたか、少し私の物の見方が変わったのか、そのどれかだと思います。