2の平方根 | P log

2の平方根

2の平方根は無理数なので、1.414の後にも無限に数字が付きます。
同じような数字に、円周率があります。こっちの方は、どこかの教授が星の数ほど計算したそうです。
残念ながら、まだ「無限」にはたどりついていないそうです。でも、がんばればいつか「無限」までいけると思うので、これからも計算していってほしいです。

円周率を習って、平方根を習って、「どっちも、小数点以下ずっと数字が続くんだよ」と説明を受けた頃のことです。
私の使っていた教科書には、円周率がずらっと並んでいるページはあったのに、2の平方根は「1.41421356」以降はどこを見ても分かりませんでした。
「この続きを知る方法は無い」と思った私は、自分で計算を始めました。教科書以外の書物を調べることも、どこかのコンピュータに計算させることも思いつかないくらいバカだったということです。
次を一ケタ出して、「おお、1.41421356の次は2だったのかあ」などと思って、そのあとのケタで筆算を間違えて、嫌になってやめてしまったのを覚えています。
その時は、自分は鉱脈のようなものを掘り進んでいて、どこかに存在するという「2の平方根」に確実に近付いているのだと思っていました。「その数を2乗して、2を超える寸前で次のケタに進む」というルールが、ただ数列を生み出しているだなんて、考えてもみませんでした。

グレッグ・イーガンのルミナス を読んで、ふとそのことを思い出しました。
2の平方根の計算をやりたくなってきて、紙とシャーペンを取り出し、筆算を始めました。
「ああ、そういえばあの時思いついたけどできなかった、2進法での筆算ができる」とか、「あるていど計算していくと、1か0が並ぶから、それで計算を途中でやめられるのか。いつやめていいんだろう。誤差とかが関係してくるんだろうな」とか、わずかながら進歩したバカな脳を動かせて、面白かったです。